なぜ、わざわざこの記事を書くのか
株式会社テンパーセントを創業し、コミュニケーションツールや会計ソフトなど、法人の運営に必要なソフトウェア、SaaS、クラウドサービス等を比較・検討しています。しかし、法人向けサービスは、一度使い始めるとなかなか他サービスへ切り替えることが難しいのにも関わらず、BtoCのサービスと比べて口コミ・評判や実体験に基づくレポートが圧倒的に少ないと感じます。かなり細かく設定した後になって、自社のユースケースに必要な機能がなかった・・・なんてこともよくあります。カスタマーサポートが設置されている場合でも、担当者の知識が低いと無料体験で使ってみて機能があるか確認してください、なんて返答されることもあります。
そこで自社で使用したサービスについて、時間の許す限りではありますが、その使い勝手を良いところ・悪いところ含めて積極的に開示していく予定です。
将来的にこういう法人向けサービスを紹介するサイトを作って事業化できたら面白いな、とは思っていますが、今回紹介する「制作秘書」を展開するシクロマーケティングからは、2017年2月時点において広告費・記事執筆費・コンサルティング費など名目を問わず一切の報酬を受け取ってません。むしろ、定価通りの金額を払っている立場です :p
月額定額制の制作サービス
当社を設立前にデザイン会社を経営していた関係から、以前より気になっていたサービスである『制作秘書』を契約してみることにしました。【月額6万円でパソコン業務を依頼し放題サービス】というのが2017年初時点でのキャッチコピーですが、中にデザイナーを多数抱えているので、ブログの更新作業やアクセス解析といった所謂「パソコン作業」にとどまらず、月額定額で制作代行サービスとして利用することができるのが大きな特徴です。実際に、営業マンと話すとチラシの制作やバナーの制作、ランディングページの制作などの多数のポートフォリオを持ってきてくれるので、実態としても「パソコン業務」ではなく「制作業務」が多いはずです。
さて、もちろん月額定額で無制限というわけではなく6万円で月20時間分の制作や作業を依頼できるというのがサービスのおおざっぱな枠組みで、デザイナーさんを一人抱えるほどではないけれど、ちょこちょこと制作・作業実務が発生するような会社に向いているサービスといえます。もう一つの大きな縛りは、同時に複数の依頼をすることはできず、また細かい作業でも中2日以上(依頼を1日目とすると、納品は早くとも4日目になる)かかるということで、よくある「明日までに!」といった緊急案件は原則として依頼できず、事前に計画的に使う必要があるのも特徴です。(ざっくり毎日1時間程度の作業量を目安に各顧客に対してサービスしていると考えるとわかりやすいですね。)
似たようなサービスとしては、デザリ放題、デザホ、デザレンなどがありますが、これらはいずれも「デザイン」を前面に打ち出していて「面倒くさい作業も丸投げできちゃう」感はないです。逆に、より包括的なサービスとしては、オンラインアシスタントサービスのキャスターが展開するCaster Biz Designも先月リリースされていますが、こちらは同社の質の高いバックオフィス業務支援(調査代行や営業補佐など、作業レベルを超えた知的ワークをいろいろ頼めて便利です)と連続したUXで制作も頼めるものになります。(情報開示:このサービスは、前述の私が関わっていたデザイン会社であるイメジンがデザイン業務をOEM提供しています)
「制作秘書」のサービス開始まで
上述のようにデザイン会社を経営していた当時に外注手段の一つとして検討したことがあり、その後も競合調査の一環としてウォッチしつづけていたという特殊要因があるため、営業担当者によるサービス説明・比較検討フェーズをすっ飛ばしていることはご了承ください。
営業の担当者と会ってサービス内容に変更がないことを確認後(むしろ、対応可能業務が増えていてサービス内容が向上してました)、すぐに契約することを伝えました。サービスの提供開始時期は、もちろん同社のキャパシティ次第だとは思いますが、今回は最短で1週間後から開始可能とのことでした。契約書等を取り交わしたあとは、サービス利用に必要な案件管理システムのID/Passwordが発行され、サービス開始前日までに契約期間分のサービス利用額を振り込む(原則として6か月単位での契約になるそうですが、2か月のトライアル利用が可能なキャンペーンを実施していたため今回は前金で「開始月の日割り+2か月分」を振り込み)といった流れになりました。
契約書を印刷・捺印後にFAXか郵送というフローが、(仕方ないんだけど)前近代的な流れで大変よろしくないなぁという感じでしたが、印刷・捺印後にスマホで撮影してメールするということで容赦してもらいました。
その後、サービス開始日当日には、専属の担当者から電話があり、そこで挨拶と主に依頼する仕事の内容の再確認、後述のシステム面で不安がないかなどを確認されました。営業担当者と会話した時に想定される依頼内容などを話しているため、これをもとに誰が専属担当者になるのかを決めているのだと思われます。
「制作秘書」の使い勝手
https://cyclo.jp/lp_creative_web/#cnt_04
さて、制作秘書を通じて作業や制作を依頼するには、メールや電話などではなく、同サービスの提供する案件管理システムを通じて担当者とコミュニケーションをとることになります。案件ごとに掲示板をたて、そこで案件に関する詳細な情報のやり取りをする形となります。前述のようにクライアントごとに専属の担当者がつき、基本的にはこの担当者が制作を担うそうです。イラスト制作のように特殊技能が必要になる場合は担当者の指揮のもと別の人に依頼することもあるようですが窓口は常に同じ人なので安心感があります。逆にクライアントの側も担当者はひとりだけとする必要があります。こうすることで、ありがちな人によって言うことが違っていて、外部のデザイナーが社内政治の調整までしなければいけない・・・ということを防いでいるのではないかと思われます。
というわけで、ロゴを頼んでみました
依頼フォーマットは自由入力欄なので、こんな感じで依頼をしてみました。一部伏字にしています。
株式会社テンパーセントのロゴの制作をお願いできますでしょうか?
名前の由来は、
1.世界の1%の人しかアクセスできない情報を10%の人々に届くように広げる
2.10%しか存在しないとされる自分で何でも情報をあれこれ調べてしまう人に役に立つ、かゆいところまで網羅した情報サイトを制作する
(3.***************** ※裏コンセプトなので秘密)
といった意味を込めています。いいなと思うロゴのURLをお送りします。
白黒でも映えるもの、現代っぽい感覚のもの、文字がはっきりと読めるものを希望します。
http://*********
http://*********
http://*********2~3案いただいて、そこから選べればと思います。
最終納品は、aiとpngでいただきたいです。
当日中に、追加の確認事項と想定納期が担当者より伝えられ、確認事項に対する弊社からの返答は翌日になってしまいましたが、中2日(営業日ベース)でしっかりと初稿が納品されました。こちらで1案選び、横展開したバージョンもみてみたいと追加でお願いしたりして、最終的な納品までちょうど1週間でできあがりました。依頼案件に対する確認や、こちらの返信に対するレスポンスの速さについては、標準的という感じでした。ただ、担当者から返信があったことが特に通知されず毎回システムに潜ってみる必要があるので、そこは不満です。せめてメールなどで通知されれば、Slackに連携して受け取れるのになーという感じです。
デザイン会社を経営していた身としてはこの価格間とスピード感でサクサクとやられてしまうと辛いものがありますが、かなり満足感の高いUXでした。もし、制作秘書で納品されたものに満足できなければ再依頼になり、それは結果的に月額料金という形で回収されるわけですが、割り切った顧客としては、初稿で提示されたもので必要十分なクオリティが出ていたと思います。
今は、名刺の制作を頼んでいますが、ランディングページなんかの制作なども頼めるそうなので、来月にはそうした依頼をしていく予定です。
そんなこんなで制作されたロゴがこちらです
3月上旬には、このロゴを使った名刺を手渡せるようになっていることでしょう。
今回レビューした「制作秘書」はこちら
https://cyclo.jp/lp_creative_web/